WordPressセキュリティ強化ガイド:推奨設定・必須プラグインをくわしく解説

ウェブディレクター YUMI HAYASHI
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WordPressは世界中で最も人気のあるCMSで、何百万ものサイトがこれを利用しています。しかし、その普及に伴い、ハッカーの標的にもなりやすいという現実があります。特に初心者が運営するWordPressサイトは、セキュリティの重要性を見落としがちで、その結果、脆弱性が高まるリスクがあります。本ガイドでは、初心者でも簡単に実践できるWordPressのセキュリティ強化方法について、推奨設定や必須プラグインを詳しく解説します。この記事を参考に、サイトのセキュリティを強化し、ハッキングリスクを最小限に抑えるための必須ステップを学びましょう。

ユーザー名とパスワードの管理

セキュリティ対策の基本は、強力なユーザー名とパスワードの設定です。これらはサイトへの不正アクセスを防ぐための第一線の防御となります。

  • ①推測されにくいユーザー名を設定しましょう。例えば、「admin」や「user」などの一般的な名前は避け、独自の名前や意味のない文字列を使用します。

  • ②強力なパスワードを設定することも重要です。推奨されるパスワードの条件は、以下の通りです:
    • ・8文字以上
    • ・英大文字・小文字
    • ・数字
    • ・記号の組み合わせ

また、同じパスワードを複数のサイトで使いまわさないことも大切です。特に、ハッカーが既知のパスワードを使って他のアカウントにもアクセスしようとする「クレデンシャル・スタッフィング攻撃」を防ぐためには、各サイトごとに異なるパスワードを設定することが不可欠です。

ログインページのセキュリティ

WordPressのデフォルトログインページは誰でも簡単にアクセスできるため、ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)の対象になりやすい部分です。これを防ぐための対策として、ログインURLの変更が有効です。

ログインURLの変更方法

ログインURLを変更することで、ハッカーがログインページにたどり着くのを困難にします。これには、以下の手順で「SiteGuard WP Plugin」を使用することをおすすめします。

  1. 1. SiteGuard WP Pluginをインストールし、有効化します。
  2. 2. WordPress管理画面の「SiteGuard」メニューから「ログインページ変更」を選択します。
  3. 3. 新しいログインURLを設定します。例えば、「/mylogin」や「/securelogin」のように、予測されにくいものを選びます。
  4. 4. 「管理者ページからログインページへリダイレクトしない」にチェックを入れることをお勧めします。
  5. 5. 設定を保存し、変更後のURLを忘れないようにメモしておきます。

変更後のURLは慎重に管理し、外部に漏れないように注意しましょう。この対策により、ログインページへの不正アクセスを大幅に削減できます。

ログイン試行回数の制限

さらに、ログイン試行回数を制限することで、ブルートフォース攻撃からの防御を強化することができます。「SiteGuard WP Plugin」にはこの機能が含まれており、設定画面から簡単に制限を加えることができます。これにより、一定回数以上のログイン失敗が続いた場合に、一定時間ログインできなくすることで、攻撃を効果的に抑制します。

多層防御の導入

セキュリティ強化には、単一の対策に頼るのではなく、多層防御(Defense in Depth)の考え方を取り入れることが重要です。これにより、攻撃者が複数の障壁を突破しなければならない状況を作り出し、サイト全体のセキュリティレベルを向上させます。

2段階認証の設定

Wordfenceは、強力なセキュリティ機能の一環として、2段階認証(Two-Factor Authentication、2FA)を提供しています。2FAを導入することで、パスワードに加えてスマートフォンで生成されたコードを入力する必要があり、万が一パスワードが漏洩した場合でも、不正ログインを防ぐことができます。

Wordfenceでの2FA設定手順

  1. 1. Wordfenceのダッシュボードから「ログインセキュリティ」を選択します。
  2. 2. 「二要素認証」タブを開き、QRコードを表示させます。
  3. 3. スマートフォンの認証アプリ(例:Google Authenticator)でQRコードをスキャンし、Wordfenceと連携します。
  4. 4. 設定が完了すると、ログイン時にワンタイムパスワードの入力が求められるようになります。万が一のことを考えてリカバリーコードは保存しておきましょう。

この設定により、WordPressサイトへの不正ログインを効果的に防ぐことができます。

reCAPTCHAの導入

Wordfenceは、ログインページやコメントフォームへのスパムボット攻撃を防ぐためのreCAPTCHA機能も提供しています。reCAPTCHAを導入することで、人間以外のアクセスをブロックし、サイトの安全性をさらに高めることができます。

WordfenceでのreCAPTCHA導入手順

  1. 1. Wordfenceの「ログインセキュリティ」メニューから「設定」を開き、「reCAPTCHA」タブを選択します。
  2. 2. 「ログインページとユーザー登録ページで reCAPTCHA を有効にする」にチェックを入れます。
  3. 3. Google reCAPTCHAサイトでAPIキーを取得し、Wordfenceの設定ページに入力して保存します。

これにより、ログインフォームやコメントフォームにreCAPTCHAが導入され、ボットによる攻撃やスパム投稿を防ぐことが可能になります。

セキュリティ対策プラグインの導入

WordPressサイトのセキュリティを強化するために、専用のセキュリティプラグインを導入することは非常に効果的です。セキュリティプラグインは、マルウェアのスキャン、ファイアウォールの設定、不正アクセスの検知といった多機能なセキュリティ対策を提供します。

おすすめのセキュリティプラグイン

以下のプラグインは、WordPressのセキュリティ強化において特に評価が高いものです:

  • Wordfence:総合的なセキュリティ対策を提供するプラグインで、リアルタイムのマルウェアスキャンやファイアウォール機能を備えています。無料版でも十分な機能を利用できますが、有料版ではIPブロックやカントリーブロック機能など、さらに強力なセキュリティオプションが提供されます。特に、詳細なセキュリティレポートやリアルタイムの脅威検出が強力で、サイトを包括的に保護します。

  • SiteGuard WP Plugin:日本製のプラグインで、特に日本国内で高い評価を得ています。ログインページのURL変更やログイン試行回数制限、ログイン履歴の管理など、WordPressの脆弱性を補う基本的な機能が充実しています。設定が比較的シンプルで、初心者でも扱いやすいのが特徴です。また、デフォルトで日本語対応しており、日本国内のユーザーにとって非常に使いやすいプラグインです。

これらのプラグインを正しく設定し、定期的にスキャンを実行することで、サイトが攻撃されるリスクを大幅に減らすことができます。プラグイン選定の際は、提供される機能、ユーザー評価、サポートの充実度を考慮して選びましょう。

プラグインやテーマの手動更新と動作確認

WordPressのプラグインやテーマは、セキュリティ更新や新機能追加のために、開発者によって定期的にアップデートが行われます。しかし、これらの更新を怠ると、セキュリティホールが残されたままとなり、ハッキングのリスクが高まります。特に、古いバージョンのプラグインやテーマには、既知の脆弱性が含まれていることが多く、攻撃者にとって格好のターゲットとなります。

手動更新の重要性

自動更新機能を利用することもできますが、手動での更新を推奨します。手動更新を行うことで、更新内容を確認し、必要に応じてバックアップを取ったり、更新後の動作確認を行ったりすることが可能です。以下が手動更新の基本的な手順です:

  1. 1. バックアップを取得:更新前に必ずサイト全体のバックアップを取得し、不測の事態に備えます。これにより、万が一更新後に不具合が発生した場合でも、元の状態に戻すことができます。
  2. 2. 更新内容の確認:プラグインやテーマの更新内容を確認し、重要な変更点やセキュリティパッチが含まれているかを確認します。
  3. 3. 手動更新の実行:管理画面から「更新」タブを選択し、手動で更新を実行します。更新前に必ずバックアップが取られていることを再確認しましょう。

更新後の動作確認手順

更新後は必ずサイトの動作確認を行い、問題が発生していないかをチェックします。特に以下の点を重点的に確認します。

  • ・サイトの主要機能が正常に動作しているか(フォームの送信、ページの表示速度、ウィジェットやメニューの表示など)。
  • ・カスタムコードや独自に設定した機能が正常に動作しているか。
  • ・プラグイン同士の競合がないかを確認。特にセキュリティプラグインやキャッシュプラグインなど、複数のプラグインが同時に動作している場合は、互換性の確認が重要です。

不具合が見つかった場合は、原因を特定し、必要に応じて修正を加えるか、アップデートをロールバックすることも検討してください。これにより、サイトがセキュリティ更新を受けながら、安定して運用できるようになります。

定期的なバックアップ

万が一のトラブルに備えて、WordPressサイトの定期的なバックアップは欠かせません。バックアップを行うことで、サーバー障害やハッキングなどの予期せぬトラブルから、サイトのデータを迅速に復元できるようになります。

バックアップの方法

バックアップを手動で行うことも可能ですが、定期的なバックアップのためには専用のプラグインを利用するのが便利です。以下のプラグインは特におすすめです:

  • ・UpdraftPlus:自動バックアップ機能を備え、クラウドストレージ(Google Drive、Dropboxなど)にバックアップを保存できます。無料版でも十分な機能を備えていますが、有料版ではより詳細なスケジューリングや複数のクラウドストレージへのバックアップが可能です。
  • ・BackWPup:スケジュールを設定して自動的にバックアップを取得できるプラグインです。データベースのバックアップだけでなく、ファイルのバックアップもサポートしており、万が一の際に迅速に復旧できるように準備を整えることができます。

バックアップデータの保管

バックアップデータは、ローカル環境だけでなく、クラウドストレージにも保存しておくことが推奨されます。これにより、データの二重保護が可能となり、サーバー障害やデータ損失のリスクを大幅に軽減できます。

まとめ

本記事では、WordPressサイトのセキュリティを強化するための具体的な対策を紹介しました。ユーザー名とパスワードの管理、ログインページの変更、多層防御の導入、セキュリティプラグインの活用、定期的なバックアップなど、いずれもハッキングリスクを減らすために欠かせない重要なステップです。

これらのセキュリティ対策を定期的に見直し、最新の状態を保つことが、サイト運営者の最優先事項です。しかし、これらの作業をすべて自力で行うのは難しい場合もあります。そのため、安心して本業に集中するためには、プロによる保守管理サービスの利用を検討するのも一つの方法です。専門家に管理を任せることで、サイトのセキュリティを最大限に維持し、安心して運営を続けることができるでしょう。

Ludiusでは、ウェブサイト制作に加えて、公開後の保守管理・運用もサポートしています。毎月のバックアップ取得をはじめ、WordPress本体やプラグイン、テーマを最新バージョンに更新し、セキュリティ対策を徹底します。WordPressの管理に不安がある方も、ぜひご相談ください。

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書いた人

ウェブディレクター YUMI HAYASHI

千葉県出身。Webを中心に制作ディレクションを担当しています。キャンプとお酒とボードゲームが好き。 Webディレクション検定取得(2023年12月)宣伝会議コピーライター養成講座基礎コース 金の鉛筆12本(2023年3月〜9月)朝日広告賞ファイナリスト(2024年)ウェブ解析士(2024年8月)

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