カラーコーディネーター検定試験 スタンダードクラスを受験しました|試験概要、学習方法、試験の様子をご紹介

ウェブデザイナー/イラストレーター NANASE MIYAMOTO
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ウェブデザイナーになりたてのころ、「カラーコーディネーター検定試験スタンダードクラス」を受験しました。
今回は、カラーコーディネーター検定試験の概要や、私の学習方法、試験の様子や感想などについてまとめてみました。私が受験したのは少し前の2021年11月になりますが、現在との変更点も踏まえてご紹介します。
これからカラーコーディネーター検定試験を受験する方に、少しでも参考になれば幸いです。

カラーコーディネーター検定試験を受験した理由

私は仕事のスキルアップのためにカラーコーディネーターを受験しました。
ウェブデザイナーは色を正しく扱う必要があります。しかし、当時の私は色の選び方を感覚に頼ってしまうことが多かったのです。その結果、「なぜこの色を選んだのか?」と突っ込まれても、うまく説明できず悩んでいました。もっと理論的に色を扱えるようになりたいと思い、カラーコーディネーター検定試験を受験しました。

カラーコーディネーター検定試験の概要 

カラーコーディネーター検定試験は、色彩の知識をビジネスや日常生活に役立てることができる検定資格です。この資格を取得することで、色彩に関する一定レベルの知識を持っていることを証明できます。

カラーコーディネーター検定試験とは?

仕事に役立つ実践的な色彩の知識を学ぶことができる検定試験です!
色彩は文化や時代の流れに大きな影響を与えてきました。
色の性質・特性など、色彩の知識を身につけることで、
色の持つ効果をビジネスシーンに活かすことができます。
仕事に役立つ実践的な色彩の知識を学ぶことができる、
それがカラーコーディネーター検定試験です。

引用:カラーコーディネーター検定試験 – 東京商工会議所検定サイト

「色彩の知識をビジネスシーンで活かす」と聞くと、デザイナーなどの専門職を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は色彩の知識は他業種で役立ちます。

例えば販売員の場合、店舗での商品陳列やディスプレイのセンスに自信が持てない、という方は少なくないかもしれません。そんな時に色彩の知識があると、どのような配色が顧客の目を引き、購買意欲を高めるかを戦略的に考えることができ、スキルアップにつながります。
また、プレゼン資料などを作成する際も、効果的な色の使い方を知っていると、伝えたい内容を効果的に訴求することができます。色彩の知識を習得することで、プレゼンテーションの効果を高め、相手により深く印象を残すことができます。
このように、色彩の知識は多くの業界で役立てることができるのです。

2つのクラスについて

以前は3級から1級までの3段階に分かれていましたが、2020年からは「スタンダードクラス」と「アドバンスクラス」の2段階に変更されました。

・スタンダードクラス(以前の3級に相当)
色彩に関する基礎的な知識が問われます。

・アドバンスクラス(以前の2・1級に相当)
スタンダードクラスの知識+ビジネスにおける色彩の活用事例などより幅広い知識が問われます。

私は、基礎的な知識を問う「スタンダードクラス」を受験しました。

試験日程、試験形式、合格基準など

カラーコーディネーター検定試験は、年に2回実施されています。
受験方式は、自宅などのPCから受験できる「IBT方式」と、各地のテストセンターで受験できる「CBT形式」より選べます。

そのほかの詳細は以下の通りです。

・試験形式:マークシート 100点満点中70点以上で合格
・試験時間:90分
・受験料:
 【スタンダードクラス】5,500円(CBT方式の場合は別途2,200円)
 【アドバンスクラス】7,700円(CBT方式の場合は別途2,200円)

参考:カラーコーディネーター検定試験 – 東京商工会議所検定サイト「試験要項」

気になる合格率ですが、2023年度のデータを参照します。スタンダードクラスの合格率は「74.3%」、アドバンスクラスの合格率は「48.8%」でした。
スタンダードクラスに関しては、そこまで難易度の高くない試験と言えるでしょう。アドバンスクラスは約2人に1人は不合格となっているため、やや難易度が高いようです。

教材について

カラーコーディネーター検定試験には、両クラスとも公式テキストが存在します。

・カラーコーディネーター検定試験Ⓡスタンダードクラス公式テキスト

カラーコーディネーターの参考書は、他社からも多数発行されているのですが、その中でも公式テキストは特に充実した内容となっています。しかし1点ネックなのが、公式テキストには問題集が付いていないことです。練習問題を解くには、別途公式の練習問題を購入する必要があります。

公式テキストが3,410円、練習問題が990円と、両方揃えると少し高額になってしまうので、少し悩んだ末に、私はこちらの成美堂出版のテキストを選びました。こちらは公式テキストではないのですが、図解が豊富で問題集も充実していて、この参考書で十分だと感じました。

大きめの書店であれば、公式テキストを含め数種類の参考書が揃っていることが多いです。できれば書店で試し読みをして、自分に合ったテキストを選ぶのがいいのかな、と思います。

カラーコーディネーター検定試験の勉強法

私は前述で紹介したテキストのみを使用して、学習を進めました。以下の流れでテキストの全章を一通り学習し、それを2周繰り返すことで知識を定着させました。

①テキストを読みながらノートにまとめる
まず、テキストの内容を読み進めながら、重要なポイントをノートに簡潔にまとめました。内容の理解を深め、後で見返しやすいように整理することができました。

②各章の問題集を解く
一章分の内容を学んだら、その章の問題集を解きました。間違えた問題は、再度テキストで復習するようにしました。

スタンダードクラスの試験範囲について

スタンダードクラスの試験範囲は、初心者にも分かりやすい基礎的な分野が中心でありながら、ビジネスシーンで応用しやすい知識が多い印象でした。
例えば、色彩の基礎理論や、狙い通りの配色を作り出すための理論、色を美しく見せるための方法論など、実践的な知識が幅広くカバーされています。
また、人間がどのように色を認識するかといった、理科的な内容も試験範囲に含まれており、色彩について総合的に学べるようになっています。

これらの知識を通して、日常業務やデザインの現場で役立つだけでなく、より説得力のある理論的な提案ができるようになるのではないかと感じました。

試験の様子、受験結果

私は、自宅で受験できるIBT方式でスタンダードクラスを受験しました。ここでは、受験の様子や受験結果について振り返ってみたいと思います。

受験の様子

試験は自宅のノートPCを使って行いました。自宅受験できる試験はいくつか経験しましたが、カラーコーディネーターの試験は特に不正防止が徹底されている印象を受けました。

受験中は常にカメラをオンにする必要があり、スタッフが1対1で私の様子を確認できる状態でした。また、試験が始まる前には本人確認のための対応や、PCを持って周囲360度をスタッフに見せました。試験中もスタッフに常に監視されている状態でした。結構緊張しそうな状況に思えますが、試験中は問題を解くのに必死で、意外と普段と変わらない気持ちで受験できました。

問題の難易度ですが、ひねりのないストレートな問題が多かったと記憶しています。前述のテキストの問題集をしっかり解いておけば、おそらくそこまで悩むことはなさそうです…!

受験結果

試験が終わると、すぐに結果が表示されます。
気になる結果は…

88点で、「合格」でした!
合格基準が70点以上だったので、少し余裕を持って合格することができました。

合格の場合、2022年度よりデジタル合格証が無料で発行できるようになりました。また、有料で紙の合格証明書も発行できるようになっています。
しかし、私が受験した2021年当時の合格証はカード形式で、発行には別途費用がかかるのでケチって申請しませんでした…。現在では無料でデジタル合格証が発行できるので安心ですね、便利な時代になったものです。

試験を終えて

カラーコーディネーター検定試験を受験する前は、デザイン制作時の配色を感覚に頼っていることが多く、なぜその色を選んだのかを理論的に説明するのが難しいと感じていました。しかし、試験を通じて学んだことで、配色をより理論的に考えられるようになり、色の選び方をしっかりと説明できるようになりました。

試験勉強を通じて、初めて知った知識もたくさんありました。
例えば、「ナチュラルハーモニー」と「コンプレックスハーモニー」という配色理論です。

ナチュラルハーモニーは、自然な調和を目指した配色で、黄色に近い色を明るく、青紫に近い色を暗くする配色です。対してコンプレックスハーモニーは、黄色に近い色を暗く、青紫に近い色を明るくする配色です。自然界では見慣れない色調なので使用シーンによっては不自然に見えることもありますが、上手く扱えば斬新な印象を印象を与えることができます。以前は感覚的に行っていた配色も、こうした理論を知ることで狙いに沿ったデザインを作りやすくなりました。

また、色覚に関する知識も非常に役立ちました。デザインの制作物によっては、どんな色覚の人でも見やすいデザインを求められる場合があります。色覚の違いを理解していることで、アクセシビリティを考慮したデザインが可能になります。

今回は「スタンダードクラス」を受験しましたが、近いうちに上級クラスの「アドバンスクラス」にも挑戦したいと考えています。これからも、より専門的な知識を習得し、デザイナーとしてスキルアップしていけるようにがんばります!

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書いた人

ウェブデザイナー/イラストレーター NANASE MIYAMOTO

広島県出身。Ludiusでは主にデザインを担当しています。痩せたいです。