Shopifyストア向け決済方法の選び方|手数料・上限額・導入コストを解説

ウェブディレクター YUMI HAYASHI
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ECサイト運営において、顧客の購買体験をスムーズにするために決済方法の選択は非常に重要です。特に日本市場においては、クレジットカードやモバイル決済、後払いといった多様な支払いニーズに応える必要があります。本記事では、Shopifyで利用可能な決済方法を詳しく紹介し、それぞれの手数料や導入コストを比較しながら、ストアに最適な決済手段を選択するためのガイドを提供します。

Shopifyで使える主要な決済方法と限度額

日本国内でのShopifyストアでは、複数の決済方法を導入することが可能です。それぞれの決済方法には、利用可能な決済上限額が設定されている場合があります。以下に、日本で人気のある決済手段とその上限額を紹介します。

クレジットカード決済

クレジットカードは、最も一般的なオンライン決済手段です。VisaMastercardJCBAmerican Expressといった国際的なカードブランドが利用可能で、多くの消費者がこれらを利用しています。クレジットカード決済は高額商品にも対応でき、信頼性が高いことが特徴です。

限度額: クレジットカード会社ごとに異なりますが、一般的に数十万円から数百万円まで設定可能です。

Amazon Pay

Amazonアカウントを利用して簡単に決済ができるサービスで、特にAmazon利用者にとっては便利です。すでにアカウントに登録されたクレジットカード情報を使うため、入力の手間が省け、信頼性が高いことが特徴です。

  • 限度額: クレジットカードの限度額に準じますが、Amazonアカウントの設定による場合があります。

PayPay

日本国内で急速に普及しているモバイル決済サービスです。PayPayはキャッシュレス決済の代表例で、特にモバイルユーザーに人気があり、スマートフォンから簡単に決済ができる点が大きな強みです。

限度額: 1日あたり5,000〜50万円。PayPayカードを利用しているか、本人確認を完了しているかなどによって上限が異なります。

楽天ペイ

楽天経済圏を活用するユーザーに特に人気の決済方法です。楽天ペイでは楽天ポイントを利用した決済が可能で、楽天市場を利用している顧客を取り込みやすいのが特徴です。

限度額: 1回あたり50万円。ただし、お支払い元設定がされていない場合、ダイヤモンド会員以外が楽天ポイントで支払う場合は1回につき3万円まで。

コンビニ決済

日本特有の決済手段として、コンビニ決済は非常に有効です。ローソン、ファミリーマート、セブンイレブンなどの主要なコンビニエンスストアで支払いができるため、現金を使いたいユーザーにも対応できます。

限度額: 一般的に、1回あたり30万円が上限です。

キャリア決済

キャリア決済は、ドコモ、au、ソフトバンクといった通信キャリアを通じて料金が支払われる方法です。特に若年層やスマートフォンユーザーにとって便利な決済手段で、月々の携帯料金と合算して支払いができるのが利点です。

限度額: 通信キャリアごとに異なりますが、最大でも1回あたり10万円までが一般的です。

銀行振込

大口取引や法人向けには、銀行振込が有効です。銀行振込は信頼性が高く、高額商品にも適しているため、クレジットカードを利用しない顧客にも対応可能です。

限度額: 特に制限はありませんが、顧客の銀行の規定に従います。一般的に、大口取引にも対応可能です。

Paidy後払い

Paidy後払いは、商品を受け取った後で支払いができるサービスです。クレジットカードを持たないユーザーや、先に商品を確認したい顧客にとって便利な決済方法で、後払いという安心感が購買意欲を高める効果があります。

限度額: Paidyでは、1回の取引で30万円までが上限です。利用履歴や信用状況に応じて限度額が変わる場合があります。

Shopifyの基本的な決済方法

Shopifyでは、ストア運営者が手軽に導入できる基本的な決済方法がいくつかあります。特に、Shopify PaymentsAmazon Payは、外部の決済代行業者を必要とせず、Shopifyのプラットフォーム内で直接接続できるため、設定や管理がシンプルで、手数料も比較的低く抑えられます。

Shopify Payments

Shopify Paymentsは、Shopifyが提供する公式の決済サービスで、特にクレジットカード決済に強みを持ちます。外部決済プロバイダを使う場合にかかる追加の取引手数料が発生しないため、コスト削減に効果的です。

  • ・手数料: 基本プランで3.4%(クレジットカード決済)。
  • ・対応決済方法:クレジットカード、Apple Pay、Google Pay、Shop Pay
  • ・特徴:
    • ・①Shopifyストアに標準で組み込まれており、数クリックで導入できる。
    • ・②クレジットカード情報の取り扱いが簡単で、安全性が高い。
    • ・③Apple PayGoogle Pay、およびShop Payにも対応しており、モバイル端末やデジタルウォレットを使用して、迅速かつ安全に決済ができる。これにより、スマートフォンユーザーやリピーターの顧客に対して利便性が向上します。

Amazon Pay

Amazon Payは、Amazonアカウントに登録された支払い情報を使って、Shopifyストアで簡単に決済できるサービスです。特にAmazonユーザーにとっては、すでに登録済みの情報を使えるため、利便性が非常に高く、購入プロセスがスムーズになります。

  • ・手数料: 一般的に、3.9%〜4.5%がかかりますが、具体的な手数料は取引内容によって異なる場合があります。
  • ・特徴:
    • ①Amazonアカウントを利用して支払えるため、顧客は新たにクレジットカード情報を入力する必要がありません。
    • ②モバイルにも対応しており、スマートフォンから簡単に決済できる。
    • ③外部決済プロバイダを通さず、Shopifyに直接連携できるため、設定が簡単。

決済代行業者の紹介と対応する決済方法

Shopify Payments以外にも、外部の決済代行業者を利用することで、より多様な決済手段を提供できます。以下に、日本市場向けにおすすめの決済代行業者と、それぞれが対応する決済方法を紹介します。

KOMOJU

https://ja.komoju.com/

  • ・対応決済方法:クレジットカード、PayPay、LINE Pay、楽天ペイ、au Pay、コンビニ決済、WeChat Pay、Alipay、ペイディなど。
  • ・特徴:日本国内だけでなく、アジア市場にも強く、多様なモバイル決済と連携可能。Shopifyとの統合もスムーズ。

GMOイプシロン

https://www.epsilon.jp

  • ・対応決済方法:クレジットカード、キャリア決済、コンビニ決済、GMO後払い決済など。
  • ・特徴:中小規模のECサイトに特化し、幅広い決済手段に対応。低コストで導入しやすく、セキュリティ対策も万全。

SBペイメントサービス

https://www.sbpayment.jp

  • ・対応決済方法:クレジットカード、PayPay、楽天ペイ、au Pay、キャリア決済、コンビニ決済、WeChatPayなど。
  • ・特徴:ソフトバンクグループに属しており、モバイル決済に強みがあります。特にPayPayとの連携が強力です。

ペイジェント

https://www.paygent.co.jp

  • ・対応決済方法:クレジットカード
  • ・特徴:NTTデータと三菱UFJニコスの合弁会社で、セキュリティやサポートが充実。一括払いだけでなく、分割払いやリボ払いにも対応可能。特に高額商品の販売や大手ECサイトに向いています。

決済方法の選び方:ニーズに応じた提案

Shopifyで使用する決済方法を選ぶ際には、自社のECサイトの規模やターゲットとなる顧客層に応じて、最適な決済手段を選ぶことが重要です。ここでは、ECサイト運営者がニーズに基づいてどの決済方法を選ぶべきか、具体的な提案を行います。

小規模ECサイト向け:シンプルで低コストの決済方法を選ぶ

小規模ECサイトでは、導入コストや運用コストが重要な要素となります。そのため、手数料が比較的低く、導入が容易な決済方法を選ぶのがポイントです。

おすすめの決済方法:

  • ・Shopify Payments: クレジットカード決済の手数料が3.4%と他の決済代行業者に比べて低く、追加の取引手数料がかからないため、小規模事業者にとって理想的です。
  • ・KOMOJU: PayPayや楽天ペイ、コンビニ決済など、幅広いモバイル決済や現金決済に対応しているため、顧客が自分に合った支払い方法を選びやすくなります。また、設定が簡単で、手数料も比較的安価です。

中規模ECサイト向け:複数の決済手段を組み合わせる

中規模のECサイトでは、顧客のニーズが多様化し、複数の決済方法を提供することが求められるようになります。また、取引規模が大きくなるため、手数料の最適化も重要なポイントです。

おすすめの決済方法:

  • ・Shopify Payments: クレジットカード決済の基本として利用しつつ、外部決済代行業者を併用する形が効率的です。
  • ・GMOペイメントゲートウェイ: 大規模決済にも対応可能で、クレジットカードや楽天ペイ、コンビニ決済、キャリア決済など、幅広い決済手段を提供します。また、セキュリティが強固で信頼性が高く、サポート体制も充実しています。
  • ・SBペイメントサービス: PayPayやLINE Payといったモバイル決済に強みがあり、若年層のスマートフォンユーザーをターゲットにしている場合に効果的です。

大規模ECサイト向け:高い取引量に対応した拡張性のある決済方法

大規模なECサイトでは、月間の取引額や取引件数が非常に多いため、拡張性があり、安定したパフォーマンスを発揮する決済方法が必要です。加えて、グローバルに展開している場合には、国際決済や多通貨対応も視野に入れる必要があります。

おすすめの決済方法:

  • ・GMOペイメントゲートウェイ: 大規模な決済処理に対応でき、手数料も3.0%〜3.6%と、取引量に応じて柔軟に設定できます。さらに、多通貨対応や高度なセキュリティ機能があり、国際展開にも適しています。
  • ・ペイジェント: 大手企業向けの決済代行業者で、一括払いだけではなく分割払い、リボ払いでのクレジットカード決済に対応しています。大規模取引や法人向けの決済に適しており、セキュリティとサポート体制が強みです。

顧客体験を重視した決済方法の選び方

ECサイトにおいて、スムーズな決済フローは顧客満足度に直結します。特に、モバイルユーザーや若年層の消費者に向けたキャッシュレス決済や、購入後に支払える後払い決済の導入は、購入率向上に役立ちます。

  • ・モバイル決済: PayPayやLINE Payなど、スマートフォンから簡単に利用できる決済方法は、特に若年層の顧客にとって重要です。
  • ・後払い決済: Paidyなどの後払いサービスは、クレジットカードを持たない消費者や、先に商品を確認してから支払いをしたい顧客にとって安心感を与えます。

まとめ:自社に最適な決済方法でビジネスを拡大する

本記事では、Shopifyで利用できる主要な決済方法を紹介し、それぞれの手数料や導入コストを比較しました。Shopify Paymentsを基本として利用しつつ、必要に応じて外部の決済代行業者を補完的に活用することで、顧客のニーズに応じた柔軟な決済手段を提供することができます。

また、ECサイトの規模や顧客層に応じて、最適な決済手段を選ぶことが、売上や顧客満足度の向上につながります。特に、日本市場で普及しているPayPay楽天ペイコンビニ決済などの選択肢を検討することで、より多くの顧客にアプローチし、リピーターの獲得に繋がるでしょう。

自社のニーズに合わせた最適な決済方法を選択し、ビジネスの成長を促進させましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

書いた人

ウェブディレクター YUMI HAYASHI

千葉県出身。Webを中心に制作ディレクションを担当しています。キャンプとお酒とボードゲームが好き。 Webディレクション検定取得(2023年12月)宣伝会議コピーライター養成講座基礎コース 金の鉛筆12本(2023年3月〜9月)朝日広告賞ファイナリスト(2024年)ウェブ解析士(2024年8月)

follow me