目次
はじめに
私は、大学生のときに中小企業診断士の1次試験に合格し、現在は中小企業診断士養成課程に通っています。今まで本気で勉強をしたことがない、中小企業診断士という資格に興味がある方々に向けて、資格試験の勉強をしていた際に思ったことや今感じていることを記事にします。
中小企業診断士の概要
中小企業診断士は、企業の成長戦略策定やその実行のためのアドバイスが主な業務ですが、中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役、また、専門的知識を活用しての中小企業施策の適切な活用支援等幅広い活動が求められています
中小企業診断士の業務とは?
中小企業診断士の業務は、中小企業支援法で「経営の診断及び経営に関する助言」とされています。「現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイス」が主な業務ですが、その知識と能力を活かして幅広く活躍しています。
中小企業診断士の役割とは?
中小企業診断士は、まず企業の成長戦略の策定について専門的知識をもってアドバイスします。また、策定した成長戦略を実行するに当たって具体的な経営計画を立て、その実績やその後の経営環境の変化を踏まえた支援も行います。このため、中小企業診断士は、専門的知識の活用とともに、企業と行政、企業と金融機関等のパイプ役、中小企業への施策の適切な活用支援まで、幅広い活動に対応できるような知識や能力が求められています。
中小企業診断士試験から登録まで
以下、中小企業診断士の試験から登録までのフローとなっています。
中小企業診断士に挑戦した理由
2020年に大学に入学した私は、当時コロナウイルスの影響で、予想以上にたくさんの時間ができてしまったことが、中小企業診断士の資格に挑戦するきっかけになりました。大学生活が始まる直前の2月頃からコロナが流行し、4月以降は緊急事態宣言が発令されて、思い描いていたような大学生活は送れず、授業もオンラインがメインでした。友達を作る機会もほとんどなく、アルバイトも満足にできない状況だったので、家で過ごす時間がとにかく増えてしまった状況でした。
そんな中、SNSを見ていると、専門学校に通っている友人たちが普段通り学校に通っていたり、その他の勉強を進めている様子を知りました。それを見て、私だけが何もせずに取り残されているような焦りを感じるようになったんです。「このまま家でダラダラしていていいのかな?」と漠然とした不安を抱えるようになり、どうにかしてこの余った時間を有効に使いたいと考え始めました。
私の通っていた大学では、資格取得のための講義を受けると単位がもらえたり、奨励金が出たりとサポート体制が整っていました。たくさんの資格があった中で、最初はもっと簡単な資格を取ることも考えましたが、「こんなに時間があるなら、難しい資格に挑戦するのもいいんじゃないか」と思い始め、挑戦してみました。
勉強の始め方
私は勉強が大嫌いです。学校のテストや試験勉強に対しても、やらなければならないという義務感だけで取り組んできました。そんな中で、資格勉強をした時に感じたことを書きます。
完璧を求めすぎない
勉強が嫌いな人は、最初から完璧を求めないということが大切です。勉強嫌いな私の場合だと、「無理なく始める」ことが一番のポイントでした。試験科目は多岐にわたり、範囲も広いですが、初めから全てを完璧に理解しようとは考えていませんでした。最初は軽い気持ちで「とりあえずやってみる」という姿勢で、少しずつ勉強を進めていきました。例えば、理解しようとせず考えを割り切って暗記してみる、通学中に参考書を流し読みする、問題集は最初に答えを見てもやもやする時間を作らないなど、小さな工夫を行いました。
試験合格以降の目的ができることを期待する
勉強を頑張れない理由として、将来何になりたいのか、何を目指すべきなのかが明確でない状態では、目的が資格試験に合格することとなっているので、勉強のモチベーションを保つのは難しいことだと感じます。私自身も当時は将来の目標が定まっておらず、なぜ中小企業診断士を目指すのか、具体的な理由もありませんでした。それでも、「資格を取れば役に立つかもしれない」「視野が広がるかもしれない」という漠然とした期待感で勉強を続けました。
この「とりあえずやってみる」という気持ちから勉強を進め、新たな目的を見つけるのが必要だと思います。実際、私も勉強を続けていく中で、「この知識が役に立つかもしれない」「将来の選択肢が広がるかもしれない」という新しい気づきが増えました。特に、中小企業診断士の勉強内容は実際の経営や経済などに直結するものが多く、進めるうちに中小企業診断士という資格にどんどん興味が湧いてきました。
勉強モチベーションの保ち方
工夫してスケジュールを立てる
中小企業診断士の1次試験を目指す上で、効率よく勉強を進めるためには、まず自分なりの勉強スケジュールを作るようになることが大事だと思います。私の場合は、大目標、中目標、小目標を決めて、それに向かって少しずつ取り組む形にしました。例えば、「試験日までに全範囲を終わらせるため、この教科は〇月までに、あの教科は〇月までに」というざっくりとした大目標を立てたら、それを週単位、日単位に分けて、毎日何をやるべきかを具体的に考えていきました。
また、寝る前にホワイトボードに次の日の勉強内容を書いておくことは効果的だったと感じています。これをやると、朝起きたときに「今日はこれをやればいいんだな」とすぐに取りかかれるので、時間を無駄にせず集中できます。私の場合は、午前・午後・夜の3つに分けて時間を確保していたので、それぞれでやるべきことを細かく分けて取り組んでいました。
勉強仲間を作る
私自身は勉強に集中するのが得意ではなかったので、モチベーションを保つためには周りの友人や仲間の存在を使うということも行っていました。勉強中にどうしてもやる気が出ない時期もありましたが、同じ資格を目指す友人たちと一緒に勉強したり、悩んでいることを相談することで、気持ちが軽くなり、まだやれるという気持ちになれました。同じ資格を目指している仲間は、やはり私と似たような状況や悩みを抱えていることが多いので、話をしているだけでも安心感を得ることができていたと思います。
なかなか理解が進まなかった時期は、問題を解いて正解している友人に「どうしてその答えになったの?」と答えまでのプロセスを詳しく聞いたりしました。友人の解き方は、時には参考書には載っていないことだったりして、「そんな考え方もあるんだ」と新たな発見になることがよくありました。そういう経験も踏まえて、最終的にはそれが合否につながったんだと思います。
試験勉強を進めていく中で、時には孤独に感じることもあるかもしれませんが、そんなときこそ友人や仲間との交流が力になります。資格取得を目指している人たちとは同じ目標を共有しているので、気軽に相談できる関係を築いていくのが、長期にわたる勉強を乗り越えるための一つのコツだと感じています。
資格勉強の魅力
将来やりたいことができる
一番大きな変化は、私が「やりたいこと」を見つけられたことです。勉強を始めた頃は、将来何をしたいのかはっきりしていませんでしたが、資格を目指すうちに、自分が何に興味があるのかがわかってきました。この経験がなかったら、今の私の将来像はもっとぼんやりしていたかもしれません。
新たなネットワークができる
たくさんの人とのつながりができたことが魅力の一つです。同じ資格を目指す仲間や友人と一緒に勉強することで、励まし合ったり、助け合うことができました。そうしたつながりは、勉強だけでなく、将来の仕事でも大きな助けになると思っています。資格に挑戦しなければ、こうした人たちと出会うことはなかったかもしれません。
自信がつく
勉強を続けて自信がついたことも大きいと思っています。中小企業診断士の試験は簡単ではありませんが、毎日少しずつ学び続ける中で、「自分にもできる」という自信が芽生えました。特に、問題が解けたり、理解が深まった瞬間は、「やればできるんだ」と感じることができ、その積み重ねが自信になりました。
まとめ
この資格試験で学んだ知識は、これからの日常や仕事にも役立つと思っています。たとえば、財務や経営の知識は、仕事での計画や判断をする際に活かせますし、法律に関することも、会社で働く上でとても役立つと思っています。私は来年から新しい会社で働く予定ですが、たとえ直接使わないとしても、物事を整理して考える力や、論理的に話す力はどんな仕事でも活かせると感じています。
そして今は養成課程に通い、日々の講義や複数回の実習でさらに知識と経験をつけています。勉強を始めた理由は「時間があったから」という単純なものでしたが、この挑戦を通じて視野が広がり、新たな目標を持てるようになりました。結果的に、この資格への挑戦が私にとって大きな転機になったと感じています。挑戦したいことがあったらまずやってみることも良いのかもしれません。