Shopify Flowで何ができるの?使い方からタグ付け・メール自動化の設定方法を解説

ウェブディレクター YUMI HAYASHI
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Shopify Flowは、Shopifyを利用するEC運営者が効率的かつ効果的に業務を進めるための自動化ツールです。手作業で行っていた作業を自動化し、時間の節約や人的ミスの防止に役立ちます。この記事では、Shopify Flowの基本設定から、具体的なシナリオと活用方法まで詳しく解説します。

Shopify Flowとは?

Shopify Flowの概要

Shopify Flowは、Shopifyで行う業務を簡単に自動化できるアプリケーションです。Shopify公式が開発しているアプリで、以前は上位プランのみ利用可能でしたが、2023年7月のアップデート以降はBasicプラン以上のプランを契約していれば誰でも無料で使用できるようになりました。このツールを使えば、顧客管理、注文や在庫の管理、メール通知、注文処理など、EC運営の業務を簡単に自動化することができます。

たとえば、「注文が確定したら、顧客に特定のタグを付ける」「在庫が減ったらスタッフに通知を送る」といった一連の業務を自動化することで、運営者の負担を大幅に軽減できます。また、これらの作業が正確かつ迅速に行われることで、ユーザー体験の向上にもつながります。

Shopify Flowの特徴

Shopify Flowは、その柔軟性と多機能性によって、EC運営者にとって非常に強力なツールとなっています。その主要な特徴を詳しく解説します。

柔軟なワークフロー構築

Shopify Flowは、トリガー、条件、アクションを自由に組み合わせることで、運営者のニーズに合わせた柔軟なワークフローを作成できます。
たとえば、次のような複数条件を組み合わせたフローも簡単に設定可能です。

・条件A:「注文金額が20,000円以上」
・条件B:「購入商品のカテゴリが特定のカテゴリーに一致」
・アクション:「顧客にタグを付与してVIPリストに追加」

これにより、複雑なルールや業務をシステム的に実行でき、特に大規模なECサイトや多岐にわたる商品カテゴリを持つストアにとっては非常に重宝します。

簡単な操作性

Shopify Flowの設定は、専門的なプログラミング知識が不要で、直感的に操作できます。ドラッグ&ドロップで各要素を繋ぎ合わせるインターフェースは非常にわかりやすく、初心者でも迷うことなく利用可能です。

また、Shopify管理画面から直接アクセスできるため、別のプラットフォームに移動する手間もなく、EC運営者が日々の業務フローにスムーズに組み込むことができます。

多様な業務の自動化

Shopify Flowは、日常的なEC業務の多くを自動化することができます。例えば、下記のようなことが可能です。

・顧客のタグ付け:特定の条件(購入金額、購入商品の種類、地域など)に応じて、顧客にタグを自動付与。これにより、ロイヤル顧客や特定ターゲットに対するマーケティングが簡単に行えます。
・在庫管理:在庫が一定以下になった場合に自動で通知を送信することで、在庫切れを未然に防ぎます。
・メール通知:カート放棄者へのリマインドや、再購入を促すフォローアップメールを自動で送信。
・注文処理の最適化:配送地域に応じたタグ付けや、特別オファーに基づく分類処理も可能。

これらの業務を自動化することで、時間の節約や業務精度の向上が期待できます。

Shopify Flowを導入するメリット

Shopify Flowを活用することで得られるメリットは多岐にわたります。以下に、それぞれのポイントを具体例を交えて詳しく解説します。

時間と人的コストの削減

Shopify Flowの最大の利点は、繰り返し発生する定型業務を自動化することで、運営者の時間を大幅に節約できる点です。

具体例:

・顧客のタグ付け
これまでは、購入金額や注文内容に基づいて手動で顧客にタグを付ける作業が必要でしたが、Shopify Flowを使えば自動化できます。
例:「購入金額が20,000円以上の顧客に自動でVIPタグを付与」。

・在庫レベルの管理
在庫が少なくなったときに手動で通知を送るのは手間がかかりますが、Shopify Flowなら在庫が一定数以下になった時点で自動通知を送信可能です。

これにより、運営者やスタッフはこれまで手作業に費やしていた時間を、マーケティングや戦略的な業務に集中できるようになります。人的リソースの負担を減らしつつ、高い生産性を維持できるため、特にスタッフが少ない小規模店舗やスタートアップにとっては非常に大きな効果があります。

人的ミスの防止

手作業では、どうしてもミスが発生する可能性があります。特に、EC運営では顧客情報の管理ミスや在庫の誤更新が信頼を損なうリスクを生むため、正確性が求められます。

具体例:

・在庫管理の自動化
在庫がリアルタイムで正確に更新されるため、過剰販売や在庫切れによる顧客不満を回避できます。

・タグ付けの自動化
条件に基づいて正確にタグを付与することで、キャンペーン対象外の顧客に誤って特典を提供するミスを防ぎます。

自動化によりヒューマンエラーを減らし、安定した運営が可能になります。また、正確性の向上は顧客からの信頼感にもつながります。

顧客体験の向上

Shopify Flowを活用することで、顧客に対して迅速で的確な対応が可能になります。これにより、顧客満足度が向上し、リピーター率やブランドロイヤリティが高まります。

具体例:

・カゴ落ちメールの送信
例:「カートに入れて購入しなかったユーザーに対して24時間以内にリマインドメールを自動送信」。このメールには購入を後押しするクーポンコードを含めることも可能です。

・タグを活用したカスタマイズ体験
購入履歴に基づいて顧客を分類し、それぞれのセグメントに適したオファーを提供することで、顧客一人ひとりに合わせた体験を作り出します。

顧客に対するスムーズな対応や、適切なタイミングでのプロモーションが実現し、購買体験が向上します。これにより顧客の満足度が高まり、結果として売上の向上につながります。

Shopify Flowの基本設定方法

アプリのインストール手順

Shopify Flowは、基本的にはShopifyストア開設時の初期状態から利用可能です。ストア開設時に自動で追加されていることがほとんどですが、もしアプリ一覧に「Flow」が表示されていない場合は、以下の手順でインストールできます。

https://apps.shopify.com/flow?locale=ja

  1. Shopify管理画面にログインします。
  2. サイドバーの「アプリ」をクリックし、「Shopify App Store」を開きます。
  3. 検索バーに「Shopify Flow」と入力してアプリを見つけます。
  4. 「インストール」をクリックしてアプリを追加します。
  5. インストールが完了すると、「アプリ」セクションからShopify Flowにアクセスできます。

ワークフローの基本構造

Shopify Flowでは、以下の3つの要素を組み合わせてワークフローを作成します。

  1. トリガー
    トリガーは、ワークフローを開始する条件です。例として、「新しい注文が作成された」「在庫が更新された」などの条件を指定できます。
  2. 条件
    条件は、トリガーに基づいて実行されるルールです。例えば、「購入金額が$100以上」や「在庫が5個以下」といった条件を設定します。
  3. アクション
    条件を満たした場合に実行される作業です。「顧客にタグを付与する」「スタッフに通知を送る」など、目的に応じた具体的なアクションを設定します。

Shopify Flowのシナリオ例

シナリオ例 1:VIP顧客のタグ付け

総購入額20,000円以上のお客様に「VIP」タグを付与して、特別なキャンペーンをご案内できるようにします。

設定手順:

①トリガー:「Order created」を選択します。


②次に、条件を設定します。「Then」のプラスボタンをクリックし、条件をクリック。「変数を追加」から、「Order>customer>amountSpent>amount」を選択します。ドロップダウンから「次のもの以上」を選択し、Amountには「20000」と入力します。

③アクションを設定します。。「Then」のプラスボタンをクリックし、アクションをクリック。「Add customer tags」で「VIP」と入力してください。

④正しく設定できていることを確認したら、右上の「ワークフローをオン」から、フローを有効化します。

シナリオ例 2:在庫不足通知

在庫が一定以下になったら、担当者に通知を送信します。これにより、在庫切れを未然に防ぎ、機会損失を回避できます。

設定手順:

①検索窓に「inventory」と入力し、トリガー:「Product variant inventory quantity changed」を選択します。

②条件を設定します。「Then」のプラスボタンをクリックし、条件をクリック。「変数を追加」から、「Product>Variants>InventoryQuantity」を選択します。ドロップダウンから「次のもの未満」を選択し、Amountには「10」と入力します。この設定は10個より少なくなった時点で通知が送られるようになっているため、ストアの状況に応じて数字を変更してください。

③アクションを設定します。。「Then」のプラスボタンをクリックし、アクションをクリック。「Flow>Send Internal email」を選択してください。

④送信先のメールアドレス、メールの件名、本文を入力してください。商品名などの変数を使うこともできます。

⑤正しく設定できていることを確認したら、右上の「ワークフローをオン」から、フローを有効化します。

まとめ

Shopify Flowは、日常の業務負担を軽減し、運営効率を大幅に向上させるツールです。本記事で紹介した基本設定や具体的なシナリオを参考に、自社の運営スタイルに合ったワークフローを作成してみてください。

「設定がうまくいかない」「さらに効果的な活用方法を知りたい」といった場合は、ぜひ弊社にご相談ください。Shopify Flowの導入から活用まで、全力でサポートいたします!

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書いた人

ウェブディレクター YUMI HAYASHI

千葉県出身。Webを中心に制作ディレクションを担当しています。キャンプとお酒とボードゲームが好き。 Webディレクション検定取得(2023年12月)宣伝会議コピーライター養成講座基礎コース 金の鉛筆12本(2023年3月〜9月)朝日広告賞ファイナリスト(2024年)ウェブ解析士(2024年8月)

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