都会の広告代理店に行ったら衝撃が走った

ウェブデザイナー/イラストレーター NANASE MIYAMOTO
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はじめに

私は広島県出身の新人Webデザイナー。
山と田んぼに囲まれた地元から、大学進学を機に東京都下へ上京。
それから現在まで、10年以上東京のはずれの方に住んでいる。
こんな私からすると、墨田区は大都会。
東京の観光名所スカイツリーがすぐそこにあるし、少しの時間で都内のどこへだってアクセスできる。
しかしそんな墨田区でさえ、東京都23区の中ではまだまだ田舎らしい。
それに気づいたのは入社して半年後、取引先の広告代理店へ伺ったときだった。

都会の広告代理店に行った

広告代理店に行くまで

ある日社長から、取引先の広告代理店での打ち合わせに、挨拶も兼ねて同行するようにと言われた。
それは普段からとてもお世話になっている、とある広告代理店。
そこではなんだかすごい規模の取引が行われ、すごい規模のお金が動いているらしい。
社員の方と直接面識はなかったものの、普段からなんとなくすごい企業だな、と感じていた。
それと同時に、どうやら都心にオフィスを構えていると聞き、ちょっとこわいなとも感じていた。
入社して半年、ついにその取引先に出向くことになるのかぁと思った。
ドキドキするものの、行くまではそこまで緊張は感じていなかった。

オフィスに向かった

打ち合わせ当日になった。
社長からオフィスの場所が『広尾』と聞いていたが、広尾がどこなのか分からなかった。
どうやら渋谷区らしい。

電車を乗り継ぎ、広尾に着いた。
広尾に行くのは初めてだったが、渋谷区なのでやっぱりおしゃれな都会だなあと感じた。
広尾駅を出てオフィスに向かう途中、たくさんのゴルフショップが並んでいた。
富裕層が住む街だということも分かった。

少し歩くと、目的地のオフィスビルに着き、エレベーターで8階へのぼった。
ついに取引先と初対面することになると思うと、緊張が高まった。

エレベーターのドアが開き、視界に映ったのは想像と異なる景色だった。
おしゃれな美容院の入り口にありそうな、自転車が飾られていた。

かなり混乱した。
なぜオフィスに美容室に飾られているような自転車があるのか?
もしかして、いろんなテナントが入っているタイプのビルなのかな?
きっとそうに違いない。ここはサロンだ。
このサロンを抜けたところに目的地のオフィスがあるんだ。
とりあえず奥まで歩いてみようと、3歩くらい奥に進んだ。

しかし視界に映ったのは、またもや想像と異なる景色だった。
テナントなどは入っておらず、ワンフロアの広めのオフィスが広がっていた。
つまりここは美容院ではなく、まぎれもなく取引先のオフィスだった。
私はハッとした。
冷静になれば当たり前だ、オフィスビルの上の階に美容院のテナントが入っているわけない。
最初に見た自転車によって、頭がどうかしてしまっていた。
こんなことをしている場合じゃない、今から大事な取引先へ挨拶だというのに。

気を取り直して、奥のデスクに座っている社長に挨拶をした。
おしゃれなパーカーと帽子を被っている、とても気さくな方だった。
その後社長同士の打ち合わせが始まったので、同席させていただいた。
打ち合わせ中、壁に貼り付けられている5枚くらいのスケートボードにどうしても目が行ってしまい、話の内容に集中できなかった。

私は社長同士の話をただ聞くだけだったが、2時間ほどの打ち合わせが終了した後なぜかほっとした。

ミーティングに参加させてもらった

社長同士の打ち合わせが終わったあと、また別件で5名ほどのミーティングがあり、そこにも同席させてもらうことになった。
人数が多いと緊張も倍増だ。

オフィス奥の会議室に案内された。
会議室に入ると、部屋の角に置かれた超巨大でおしゃれな芳香剤に目をうばわれた。


また会議と関係ないものに気を取られそうになったが、気を取り直して会議に集中することにした。
しばらくすると重鎮らしい方数名が会議室に入ってきた。
これは半端なく場違いなところにきてしまった、と思った。

会議が始まったが、聞き覚えのない言葉ばかりが飛び交っていた。
『LTV』『CPA』『テレカン』『8分だけ時間ちょうだい』。。。。
いくら自分が新人と言っても、話の内容がわからなすぎた。
まるで他業界の話を聞いている感覚になった。
自分はあくまで会議に同席させてもらってるだけだけど、ここで話を振られたらなんて意見を言えばいいんだろう。そんな不安もよぎった。
多分すごく大事な会議だけど、早く終わらないかなと少し思った。
何十分かして、会議が終わり、気づけば外は暗くなっていた。
話振られなくてよかった、と思った。

振り返って

無事に取引先との挨拶・打ち合わせが終わりホッとした(ただ話聞いてるだけだったけど)。
さっきの会議で出てきた知らない言葉を調べることにした。

LTV
「顧客生涯価値」の意味。
1人あるいは1社の顧客が自社と取引を開始してから終わるまでのあいだに、どれだけの利益をもたらしてくれるのか、顧客から得られる利益の総額を表す。
一般的に、企業やブランド、サービス、製品に対して抱いているロイヤリティが高い顧客ほど、顧客ライフサイクルにおいて、繰り返し商品やサービスを購入してくれる可能性があり、LTVが高いといえる。
(引用:https://jp.marketo.com/content/what-is-ltv.html)

CPA
「顧客獲得単価」の意味。
1件の成果や顧客を獲得するために、どの程度の広告費用がかかったのかを表す。
成果とは、商品の購入や会員登録、サンプル申し込みや問い合わせなどのことをいう。
CPAは、Web広告の費用対効果を表す指標(KPI)としても知られています。
(引用:https://www.onemarketing.jp/knowledge/word/cpa)

テレカン
テレカンファレンス(teleconference)の略。
広義のテレカンはZOOMなど遠隔会議全体を、狭義のテレカンは電話会議を指して用いられる。
(引用:https://go.chatwork.com/ja/column/telework/telework-081.html)

知らない言葉を知ることができて勉強になった。
同じ業界ではあるもの、場所が違えば、使う言葉も違うということがよく分かった。
そして相手の言葉の意味が分からなければ、会話が出来ない。
今後さまざまな取引先と対等にコミュニケーションを取るためには、業界用語や業界そのものの知識は必要だ。
そして今自分がいる業界を理解するためには、社内のみにとどまらず、他社の方々とも積極的にコミュニケーションをとるべきなんだなということを、身をもって感じた。

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書いた人

ウェブデザイナー/イラストレーター NANASE MIYAMOTO

広島県出身。2021年7月入社。 前職はホームセンターの販売員で、特技はフォークリフトの操縦。 趣味は週末のランニングと、お菓子を食べること。